LET THERE BE MUSIC

自分の好きな音楽、アーティストに対する考察。まずは自己満

2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

幻の名盤解放同盟について

「すべての音盤はすべからくターンテーブル上(CDプレイヤー内)で平等に再生表現される権利を有する」 という宣言にはじまる幻の名盤解放同盟は湯浅学、根本敬、船橋英雄の3人によって結成され、韓国文化や現地の人々を揶揄した内容で一部から批判もある書籍…

『大衆音楽の真実』

いま、中村とうよう著『大衆音楽の真実』という本を読んでいる。読んでいる途中なので全体の感想は言えないのだけれど、ポピュラー音楽のルーツを探求したい人には必読の本じゃないだろうか。芸能人、ポピュラー歌手のルーツを遡れば、支配体制の外側にいる…

プロテスト・ソング②

結論から言えば、1960年後期から1970年前期にかけて、日本にもたくさんプロテスト・ソングはあったが、時代を代表するというほどポピュラーになった曲はあまりなく、それぞれの文脈の中でのみ存在していたと思う。日本とアメリカという音楽業界の規模の違い…

プロテスト・ソング①

1960年代、当時のアメリカは人種差別撤廃とベトナム戦争反対を訴える声が多くなりつつあった。その背景には、キング牧師やマルコムXをはじめとする黒人指導者による黒人の現状を力強く伝えた活動や、自由で平和な生き方を標榜するヒッピームーブメントの影響…

人間ジョン・レノン

映画『Imagine:John Lennon』で印象的な場面があった。場所はジョンの邸宅の扉の前、イアンギラン似の大柄なヒッピーの男がジョンとヨーコを前にしている。屋敷の助手から、妙な男が毎晩庭に潜んでいるという報告があったようで、ついにジョンはその問題の男…

いいものもある、悪いものもある

「いいものもある、悪いものもある」スネークマンショーのネタで使われていた言葉で、なぜかこれを僕と友達は気に入り、以降その友達と音楽の話をするときにたびたび会話に出てくるようになった。スネークマンショーのコントでは専門家がシュールな言葉でほ…

『ジョンの魂』

今日は朝早くから目が覚めてしまったので、布団の中でJohn Lennon『ジョンの魂』を聴いていた。 鐘の音がゴーン、ゴーンと鳴り響き、始まった1「マザー」でジョンはシンプルで痛々しく、切ない歌詞をまるで独白するかのように歌っていた。飾り気のないピアノ…

近況

足首が痛い。毎日更新と決めたのでこんな日にもコツコツ文章を打つ僕です。持っているCDやレコードの中から紹介したい音楽はまだまだあるのだけど、僕の表現や知識が追いつかないことだらけだし、ブログの質は向上しないし、最近は頭打ちでどうすればいいの…

George Michael『Listen Without Prejudice(1990)』

このアルバムも布袋さんの本で知ったもので、George Michaelの2枚目のソロアルバム『Listen Without Prejudice(1990)』直訳するとアルバムタイトルは「偏見なしで聴いて」という意味だと思われる。 ここでは、かつてのWHAMや1stアルバム『Faith(1987)』で…

BUCK-TICKの話

僕の音楽的嗜好に多大な影響を与えた日本の宝、BUCK-TICKを今日は紹介したい。 BUCK-TICKは高校生の頃、レンタルで借りたベストアルバムから聴き始めた。そのアルバムは年代順にシングルが並んでおり、初期の曲は、同郷の群馬出身のBOOWYの流れを組む、派手…

リスペクトされた若大将

加山雄三が好きだ。熱心にアルバムを集めているほどのファンでもないのだが、彼がつくった曲の良さや演奏の素晴らしさには感銘を受けており、純粋にその音楽性のファンだ。加山雄三の存在自体は昔から知っていたが、その重要性に気付かされたのは、井上陽水…

T・REXタシーを感じろ!!!

「初めてのロックンロール体験…、きっかけはマークボランだったけど……マーク・ボランはね、ルックスから入っていったかな。そのころは音の理解力も深くないわけだから、グラム・ロックのかっこよさに惹かれた。リッチー・ブラックモアとかジミー・ペイジとか…

音楽ブログのつもりだったけどまあどうでもいいじゃん『RRR』だよ!

先週土曜日に、 映画『RRR』を観て以来、その面白さの余韻の中におり、職場や周りの知人に毎日のように宣伝している。この面白さを伝えるのにとにかく観て!と他人に勧める以上の方法がないことが悔しいというかなんというか。僕が言葉を使って伝えることで…

玄人のロック=クラウトロック?

僕はクラウトロックが大好きだ。頭でっかちなドイツ人が作った風変わりで発明をしている科学的な試みの雰囲気すらある音楽。1960年代後半〜1970年代初めにかけてドイツで勃興した前衛的で不思議な陶酔感のあるロックだ。ルーツとしては現代音楽の一派である…

音楽の海へ

ポピュラーミュージックは大衆に支持される時だけ流行り、時期を過ぎると落ちていく。時代の風が吹いていくようにその人気は移り変わりしていくものだ。それぞれの時代に人気のあった音楽はたくさんあるが、時の経過によってその魅力を無くさないもの、数あ…

音楽の中のアメリカ

アメリカ的なる音楽という、なんとも人を食ったようなジャンルがあるらしい、アメリカーナだ。要するにアメリカを感じさせる音楽、フォーク、カントリー、ブルース、ゴスペル、ロックンロールなどの要素を含んだ混合音楽のことを指すらしい。それって要する…

デカダンスを踊ろう ROXY MUSIC『AVARON(1982)』

ロキシーミュージックの『Avaron(1982)』ほどアートロックという言葉が似合うアルバムもないのではないだろうか。アルバム全体の雰囲気は統一されていて、中世ヨーロッパの荘厳で神秘的なファンタジー小説のようなジャケットから想像できるとおり、ヨーロッ…

井上陽水のススメ 『バレリーナ(1983)』

モノマネで使われる歌手ベストテンには必ず入ってくるだろう。独特の美声から繰り出される名曲の数々は老若男女あらゆる世代に知られていることと思う。僕は世代ではないがそれでも一音楽好きとしてそれなりに聴いてきた。ご存知ですか。井上陽水です。 陽水…

ポストパンクとは

ポストパンクとはパンクロックの流れにある特定の音楽的特徴を持つバンドを総称して呼ばれるものであり、ニューウェーブという呼び方もあるが、こちらは80年代のMTVで流れるようなもっと広義のアーティストも指す言葉だ。 ポストパンク。パンク以後の音楽…

パンクロックの話

僕が好きだった音楽にポストパンクというジャンルがある。僕は高校生や大学生の頃やたらハマって聴いており、これが最強の音楽だと疑わなかった。今日はポストパンクの話がしたいが、それにはまずパンクロックを学ぶ必要がある。 70年代半ば、若者の新しい…

The Beatles雑談

The Beatlesは文字通り世界を変えた唯一無二の存在であるのに、その音楽的個性をきちんと受け継ぎ、さらに発展させた後続のアーティストは案外少ないように思う。マイナーなものを含めれば数あるのかもしれないが、質が良く有名なものに限ると、同時代だとHa…

ロックで大人になりましょう 氷室京介『Memories of Blue(1993)』

氷室京介。名前からして氷に京というクールな二文字を冠した名前で、彼の音楽性すら予見してそうな響きがあるが、本名ではなく芸名で漫画のキャラクターから名前を付けており、BOOWY活動初期は氷室狂介でバンド名も暴威だった。名前変えてよかったね……。今日…

あがた森魚の世界『乙女の儚夢』

高校生の時『乙女の儚夢』というアルバムを聴いた。きっかけはよく覚えていないが、おそらくイエローモンキーの吉井和哉さんの影響だったと思う。当時、大学受験が憂鬱で中二病をこじらせてしまい、その鬱屈した気持ちをつげ義春の漫画を読んだり、モンティ…

続、評論とは

僕はオタクというほどアニメにも漫画にも造詣は深くない。ゲームだって趣味の一つではあるが、ゲーマーと呼ばれる周りの友人ほど熱心ではなく、やり込むことなど今まで一度もなかった。僕の一番の趣味といえる音楽鑑賞と比べたらそれらに対する情熱はだいぶ…

布袋寅泰は僕の親父『GUITARHYTHM(1988)」

僕が音楽を探求していく上で大きな指針になった本がある。布袋寅泰の「Radio Pleasure Box」だ。確か、母親とBOOK OFFに行った時に買ってもらったのだと思う。その本には彼に影響を与えたアーティストの名盤がテーマ毎に紹介されていて、当時高校生だった僕…

音楽史の流れについて

音楽を聴いていくと、このアーティストのこの部分は多分ここからじゃないか?という発見がある。今僕はビーチボーイズのライブ映像を見ているのだが、そのコーラスのハーモニーは浜田省吾の曲によくあるものにそっくりだ。それは浜田省吾と彼の曲のコーラス…

音楽評論についてのあれこれ

今日は知恩寺の古本祭りに行ってきた。何か記事を書く際に参照できるような音楽に関する本があればいいと思って行ったところ、思いがけず会場に入っていきなりMERZBOWの『ノイズ・ウォー』を見つけてテンションがあがったが、プレミアで高価すぎたので購入は…

気がつけば天上の音楽に囲まれて……The Millennium『Begin』

世の中にはこれを知らなきゃモグリだよ、という通ぶりたい人々のための表現がある。玄人ぶることの恥ずかしさは重々承知しているつもりだが、ことソフトロックというジャンルに限って言えば、The Millenniun『Begin(1968)』を知らない奴はモグリだと言いたい…

楽しい!美しい!すごい!とにかく聴け!Roy Wood『Mustard(1975)』

僕がこれまでの人生の中で一番集めたアルバムかも知れない。一回売ってもう一回買ったCDが一つ。再発リマスターされたCDが一つ。アナログにはまってから買ったレコードが一つ。現在計3枚持っている。それだけの回数聴いてきたし、誰にでも勧められる素晴ら…