LET THERE BE MUSIC

自分の好きな音楽、アーティストに対する考察。まずは自己満

感想 トレインスポッティング

 今日はトレインスポッティングを観た。おそらくこの映画を以前観たのは大学の頃だったと思うが、当時の他人事のような感覚で観るのとは今は違って、行き詰まった若者という点では今の自分と同じだなぁとどこか親近感を感じつつ鑑賞した。

 大好きなイギー・ポップの『Lust For Life』が本家のPV以上に映像にぴったりなオープニングの鮮烈なイメージや、ラストのアンダーワールドの『Born Slippy』が主人公の新しい人生を予感させるなどシーンに使われるなど、ある種の音楽映画としても楽しく観ることができたが、この映画の主題はやはりドラッグだ。ドラッグを主題にしているからといって、90年代当時のドラッグ・カルチャーを頭ごなしに否定して説教しているようなものではなく、この映画は薬に振り回されるイギリスの若者の悲哀とユーモアを当事者と同じ目線から描いている。また、どんなにまともな生き方をしようして、ドラッグから抜け出そうとしても自分を呪っているかのようにドラッグと悪い仲間が追いかけてくるホラー映画の側面もあれば、ドラッグが自分の青春から奪ったものを取り返そうと足掻く一人の男の成長物語という意味で、青春映画でもある。