LET THERE BE MUSIC

自分の好きな音楽、アーティストに対する考察。まずは自己満

ポストパンクとは

 ポストパンクとはパンクロックの流れにある特定の音楽的特徴を持つバンドを総称して呼ばれるものであり、ニューウェーブという呼び方もあるが、こちらは80年代のMTVで流れるようなもっと広義のアーティストも指す言葉だ。

 ポストパンク。パンク以後の音楽という意味。そうした音楽をやっていたバンド達にポストパンクをやっていたという自覚があったかはわからないが、そう呼ばれた彼らの音楽にはパンクロックとは違うコンセプトや音楽性が内包されていた。ベーシックなバンドによる3コードの粗野な演奏という勢いだけのものから、より幅広い音楽的な冒険を繰り広げていき、他ジャンルの音楽的要素を積極的に取り入れていったのだ。あるものはファンクやレゲエ、ダブのグルーヴをつくり出し、あるものは電子音楽へ接近していき、あるものは音楽的であろうとすることすら放棄してノイズの海へ飛び込んでいった。そうしたさまざまな実験的試みは、インダストリアルミュージックのように後に特定のジャンルへと変化したものもあった。

 そうしたさまざまな音楽的ジャンルをまたぐポストパンクという総称、ジャンル分けはオルタナティブロックと同じく音楽構造上の関連がなく、意味がないようにも思えるが、共通しているのはそのパンクアティテュードという精神的な部分だろう。例えば、The Jamというモッズに多分に影響を受けたパンクバンドを組んでいたポールウェラーは、The Style Councilというお洒落なポップソングをつくるユニットを新たに組んだが、その曲の歌詞は政権批判や辛辣な皮肉を内包しておりポップとは名ばかりのものだった。さらに言えば、パンクアティテュードとは単に社会に対する反抗精神だけを指すのではなく、全く新しいものを創り出そうという文化的なエネルギーも含むものであり、例えば、バウハウスコクトーツインズなどに代表される、耽美的なゴシックロックという新しいジャンルの音楽をつくりだした4ADレーベルはこのポストパンクの流れにあるものだ。

 そうしたポストパンクというロック新しい潮流も最終的に商業主義に飲み込まれていき、ニューウェーブという呼称に変わり、MTVで流れるデュランデュランのようなアイドルバンドに変わっていくのはなんとも皮肉なことだが、ポストパンクが産み出した音楽の斬新さやカッコよさは今も薄れていない。僕のおすすめはGang of Four、Echo & The Bunnymen、P.I.L、DAFWIREThe Pop GroupXTCあたりだよ!よかったら聴いてね!