LET THERE BE MUSIC

自分の好きな音楽、アーティストに対する考察。まずは自己満

音楽ブログのつもりだったけどまあどうでもいいじゃん『RRR』だよ!

 先週土曜日に、 映画『RRR』を観て以来、その面白さの余韻の中におり、職場や周りの知人に毎日のように宣伝している。この面白さを伝えるのにとにかく観て!と他人に勧める以上の方法がないことが悔しいというかなんというか。僕が言葉を使って伝えることで誤解を招いて、つまらない映画だなんて思われたくないし。なんて面白くて罪作りな映画をつくってくれたんだインドよ!

 インド映画というものをまともに観たことがなかった僕にとって、『RRR』はYouTuberが薦めてきたから行く以上の理由がない映画で、不安半分、期待半分の気持ちで席に座った。三時間と言う長さも気になり、昼までお腹空かないかなとかトイレ行きたくならないかなとかの雑念も多くあった。

 だが、映画が始まってみると全くと言っていいほど全ての雑念が消え去り、映画の画面に釘付けになった。アクションシーンで度肝を抜かれまくり、シンプルな友情物語に泣かされ、ナートゥダンスには身体も心も持っていかれ、豪華で精巧なCG技術、派手な色合いの演出が眼福で、映画に完璧にマッチしたモダンで大迫力のインド音楽など、本当に素晴らしく、なぜか涙が出てくるぐらいだった。インドってこんなに立派な映画をつくれるまでになったのねと、映画に感動した淀川長治の感想のようだと思いながらも溢れ出る涙はとまらず、映画の半分はウルウルしていた。だって実際にいい話しだったんだもん!イギリス統治下のインドという舞台で、イギリス人に差別され虐待されていたインド人という歴史的背景を踏まえた舞台背景。そこで繰り広げられる二人のマッチョそれぞれの信念と友情がぶつかり合うストレートな物語。最後は二人で力を合わせてイギリスを倒し、インド独立を果たす。イギリスの侵略によって被害国となってしまったインドの未だに癒えない傷を映画というフィクションの世界の中で復讐しているのかもと考えてしまった。悲惨な歴史を乗り越えていくためのステップのひとつなのかもと。

 映画そのものはワールドワイドに世界を狙った調整がされていたようにみえるが、インド映画に詳しくない僕でも、インド映画固有の味だよなぁと思えるような、過剰な演出、宗教的背景が垣間見える演出や脚本、ツッコミどころ豊富なアクションシーン。それらを無くさずにそのまま世界に視野を向けているところがエライと思った。どんなに金をかけようが売れようが魂だけは無くさないぜ!という監督の心意気が伝わってくる。エンディングの踊りまで楽しく幸福感に溢れた、最後までチョコたっぷりの映画だ。