LET THERE BE MUSIC

自分の好きな音楽、アーティストに対する考察。まずは自己満

1967年、サマー・オブ・ラブ

 1960年代のヒッピームーブメントは既存の権力や、親世代の規範から自由になろうとした若者がベトナム戦争公民権運動などの当時の時代を背景に、LSDによる精神の解放から愛と平和を訴えた運動だった。ビートルズをはじめとする当時のロックバンドはそうした時代の空気にどっぷりはまり込み自身の作品に取り込んでいった。その結果生まれた『REVOLVER(1966)』や『Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band(1967)』などの作品にはそれまでのロック音楽では見られなかったインド音楽からの影響やスタジオ録音による数々の実験的要素が含まれており、歌詞もそれまでのラブソング中心のものから個人の精神性を歌うような内省的なものに変化していった。他にも、1967年にはグレイトフル・デッドジミ・ヘンドリックス、ドアーズなど、LSDからの影響を如実に感じさせる音楽性を持った様々なアーティストがデビューしており、彼らのやっていた音楽はサイケデリック・ロックが呼ばれた。こうした音楽はまた、時代のBGMとして象徴的に機能し聴衆とアーティスト相互に影響を与えながら、音楽のみならずファッション、ポップアート、文学、映画、漫画などに文化的な発展を促した。この年の夏のアメリカ、サンフランシスコでは最大で10万人ほどのヒッピーが集まり、文化的、政治的な主張をともなう集会を開いたという。この出来事はサマー・オブ・ラブと呼ばれ、ウッドストックとともに後に語られるものになった。