音の魔術師the Divine Comedy『Casanova』
ここ一ヶ月、the Beach Boys『Pet Sounds』にハマっている。その音楽や歌詞の美しさはこの世に存在しているのがほとんど奇跡のように思える。当ブログでも取り上げようと思ったが、これほどの歴史的名盤は語るにはなかなかに敷居が高すぎるので断念した。そこで今回は90年代のブライアンウィルソン?かもしれない一人の音の魔術師、the Divine Comedyの『Casanova』を紹介する。
クラシックの中でも室内楽を基調としたポップミュージックで、ストリングスやコーラスの使い方ともに凝っており、ところどころビートルズやビーチボーイズの歴史的名盤を思わせる。クラシック+ロックの題材自体は古くからあるものだが、エフェクティブなギターサウンド、電子音やリズムマシンなども使用する現代的なアレンジのおかげで全く古臭く感じさせない。シアトリカルで洒落っ気があり、ダンディズム溢れる歌い方は時折デヴィッドボウイにそっくりでイギリスらしい。構造美とでもいうべき、なかなかに優れた音場を目の前に作ってくれる曲ばかりで耳に嬉しく、頭に面白く、美しい。こうした感想が持てるのは『Pet Sounds』と同じだが、あちらは曲から少年の悲壮感や切なさを想起させる一方てこちらは優雅で粋な大人の音楽だ。以下に曲の解説を載せる。
「Something for the Weekend」はタイトル通り、週末に何かよいことが起きる予感を感じさせるワクワク感に溢れたポップミュージックで、スタイルカウンシルの「Shout to the Top」のようだ。
「Middle-Class-Heroes」はマイナーとメジャーの間をいったり来たりしてるような、なんとも言えない音の感覚がたまらない。こういう音楽を聴くともっと音楽理論を勉強しなければ!と感じる。
「Charge」で聴けるボーカルの声はプリンスそっくりなのだが、これはゲスト参加ではないのだろうか?モノマネ?だとしたらそっくりすぎてすごい。