LET THERE BE MUSIC

自分の好きな音楽、アーティストに対する考察。まずは自己満

BOOWYが好きだ

 僕が音楽に目覚めたきっかけはBOOWYだ。小学生の頃レンタルで借りた『LAST GIGS』を観て、日本に昔こんなにかっこいいバンドがいたのか!と衝撃を受けた。その後、いてもたってもいられなくなりドラムを習いはじめたり、布袋寅泰の音楽的ルーツを探るために洋楽を聴くようになったりと僕の人生に深く関わった。歳をとっていっちょまえにジャズを語るようになった今でも大好きなバンドであり、いつでも戻ってこれる実家のような安心感がある。

 BOOWYのなにがそんなに素晴らしかったのかというとまずそのわかりやすさだったと思う。ボーカルとギターとベースとドラムというシンプルなバンド形式がスタイリッシュで、メンバー各々がそれぞれの役目を完璧に果たしている。ボーカル氷室京介はその類稀なる歌唱力とシュールなステージアクションで独自のナルシスティックな世界観をどこまでもクールに演じる。ギター布袋寅泰はボーカルに負けじとステップを踏んで踊りながらギターカッティングし、印象的でメロディアスなギターソロを弾く。ベース松井常松は同じ立ち位置から微動だにせず黙々とベースをダウンピッキングし、自分が引っ込むことでフロントマン二人を立たせる。ドラム高橋まことはロートタムを使用したドラムキットからシンプルな8ビートをエネルギッシュに叩き、バンドの推進力を務めあげる。こうしたわかりやすいバンドの形は以降の日本のビートロックバンドの雛形となり、多くのフォロワーが生まれた。

 氷室京介布袋寅泰が一緒のバンドにいたということはすごいことだったというのが僕が後にこの二人のソロ活動を追っていくうちに感じたことだった。氷室京介は日本語と英語を交えた歌の中に歌謡曲的なメロディや曲調を感じるような曲をつくるシンガーであり、布袋寅泰はルーツにさまざまなジャンルの洋楽やパンクの影響が大いにある自称ニューウェーブギタリストだった。この二人が合わさったことによる化学反応の結果がBOOWYというバンドだったのではないだろうか。日本人がニューウェーブバンドを輸入したといえばそれまでかもしれないが、それだけではなく、今聴いても楽曲の良さと新鮮さは薄れていない本当に素晴らしいバンドだ。

 おすすめは全アルバム !といいたいところだが、1stは音がチープなだけあって最初は聴かなくてよろしいし、アルバムごとにカラーが違って好みが分かれると思うので、最初は『THIS BOOWY』というベストアルバムから聴いてみてネ!