LET THERE BE MUSIC

自分の好きな音楽、アーティストに対する考察。まずは自己満

自分の開閉

 僕は来年30にもなろうという男だが、最近ようやっと大人になるということを覚えつつある。大人になるというのは感情を抑えて他人と接することができるということに尽きると思うが、僕はそれができなくて今までの就職でつまづいてきた。

 素直であること、自分の気持ちに正直であることはいいことだという思い込みがかつての僕にはあったので、当時の職場の上司に全面的に自分の悩みや考えを話していた。誰かに理解されているという安心感、自分の身を預けるほど誰かに頼るという、自分の自信のなさと頼りなさから来る人間的な甘さだったと思う。だけど、そんなスキにつけ込んで自分の勝手な考えや行動を押し付けてくる奴らがこの世の中には確実にいる。そして、そういう奴らほど、いい人のように見えるし、屈託のない笑顔で諸手を振って新人だった僕を歓迎してくれた。しかし、僕はいつしか小さなミスや職場にいる時の表情だけで怒られるようになっており、もう我慢の限界だったので職場をバックれ仕事を辞めた。

 それから、派遣社員になり工場で働いてきて二年が経った。その間に色々自分なりに成長できたと思うこともあれば、今の自分を客観的に見てその将来を憂う気持ちも出てきた。派遣として働き始めた時は社会復帰できただけでも喜んでいたのに、今では派遣なんてなんぼのもんじゃいって感じだ。

 数ヶ月前、職場の問題提起をした結果、職場のリーダーへの個人攻撃のような捉え方をされ、社員さんに不機嫌になられものすごい剣幕で怒られたことがある。僕なりに職場の状況を冷静に見た結果の問題提起だったのだが、その社員さんにとってはうまくいってる職場だったらしいので寝耳に水だったようだ。その人は自分の意見に違うものや、他人の意見に寛容なタイプではなく、すぐ感情的になって否定をしてくるようなメチャクチャな人で、まるで以前の女上司のような人だ。結局問題はその人自身のメンツの問題にすげかえられ、僕だけが割りを食う結果になった。そのあとこの人は僕にまた仲良くやろうといってきたが、以前のような気持ちではもうその人とコミュニケーションはできなかったので、無理だった。それ以後も謎にLINEを気を使う感じで送ってくるが、こういうところにも僕はこの人に以前の職場の上司的なものを感じて嫌になる。僕はいっつも仲良くなった女上司にやられてしまうんだなぁと思った。

 ならいっそ、別に仲良くならなくていいんじゃなかろうか。仕事の関係として割り切って、自分を傷つけたり不快にしてくるやつには、言い返したり感情や態度で反応するのではなく心でブロックする。それが出来なくなれば仕事を辞めて逃げるまでだ。たかだか仕事に精神の余裕を奪われて趣味に使う心のスペースを使ってしまうのはもったいない。

 自分を閉じることは時に有効な生存戦略である。逆に、新しい出会いや楽しい友人や恋人にはもっと自分を開けていくことが必要だ。この自分の開閉をマスターしたら、僕の人生もっと楽しくなるんじゃなかろうか。